○城崎町湯島財産区議会基本条例

令和4年12月27日

条例第45号

城崎温泉を象徴する外湯は、古来から地域住民自身が共同体規制を行うことにより共同浴場を守り、受け継いできた賜物であり、集団規範として幾多の変遷を経ながらも「外湯第一主義」において城崎温泉の温泉文化の核を成すものである。

明治28年の財産区設置以降、幾多の困難な事例の発生にもかかわらず城崎町湯島財産区(以下「区」という。)による泉源の集中管理と内湯規制条例により城崎温泉が外湯を中心に地域一体として共存共栄し得たのは、背景に住民意識の高さがあったからこそである。

城崎町湯島財産区議会(以下「議会」という。)は引き続き区民の意見を代表することで共存共栄の精神を果たし地域共同体の負託に応えるとともに、城崎温泉全体の繁栄の礎である外湯の運営と配湯を守っていかなければならない。

ここに本議会は、区民から選ばれた代表としてのその責任を自覚するとともに日本国憲法(昭和21年)及び地方自治法(昭和22年法律第67号)の精神にのっとり、区民の負託に全力を挙げて応えていくことを決意し、議会の最高規範としてこの条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、議会の基本理念を明らかにし、議会の役割及び運営原則、城崎町湯島財産区議会議員(以下「議員」という。)の責務及び役割その他の議会に関する基本的な事項を定めることにより、議会が区民の負託に的確に応え、もって区の発展に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第2条 議会は、区民を代表し、区の意思決定を担う議事機関として、多様な区民の意思の調整を図り区政に反映させるため、公平かつ公正な議論を尽くすとともに、その機能を最大限に発揮することにより、区の発展を目指すものとする。

(議会の役割)

第3条 議会は、前条の基本理念にのっとり、主に次に掲げる役割を担うものとする。

(1) 議事機関として、議決により区の意思決定を行うこと。

(2) 市長の事務の執行について、監視及び評価を行うこと。

(3) 区政の課題に関し、政策の立案及び提言を行うこと。

(4) 議会活動で明らかとなった区政の課題、審議等の内容について、区民に説明を行うこと。

(議長の役割)

第4条 議長は、議会の代表として、議会の品位を保持し、議会の機能強化に向けて先導的な役割を果たすものとする。

2 議長は、議会活動の状況、区政の課題に対する議会の方向性等について、広く区民に明らかにする役割を担うものとする。

(議会の運営原則)

第5条 議会は、合議制の機関として、その機能が十分に発揮されるよう、円滑かつ効率的な運営に努めなければならない。

2 議会は、言論の府として議員の発言を保障し、かつ、議員相互間の討議により活発な議論が行われるよう努めなければならない。

3 議会は、質問等の論点を明確にし、区民に分かりやすいものとするよう努めなければならない。

4 議会は、議決責任を深く認識し、区民に開かれた透明性の高い運営に努めなければならない。

(委員会)

第6条 常任委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)は、その専門性を生かし、議案の審査のみならず所管事務の調査を積極的に行うとともに、閉会中の継続審査の有効活用等により区政の課題に対応して機動的に開催するものとする。

2 委員会の委員長は、委員会の設置目的に応じた機能が十分に発揮されるよう、その運営に努めるものとする。

(専門的事項に係る調査)

第7条 議会は、議案の審査又は区の事務に関する調査を効果的に行うため必要があると認めるときは、議決により、学識経験を有する者に調査させることができる。

(定数)

第8条 議員の定数は、議会が区民の意思を区政に反映する機能を十分に発揮できるようこれを定める。

(大規模災害その他の緊急事態発生時における議会の対応)

第9条 議会は、区営温泉浴場、温泉供給に関する施設その他の区有財産に重大な被害が生じ、又は生じるおそれがある大規模災害その他の緊急事態が発生した場合で、議会としての対応が必要と認められるときは、状況の把握及び調査活動を行うなど、議会の役割を踏まえた必要な対応を行うものとする。

2 議会は、前項の対応を迅速かつ的確に行うために必要な体制の整備その他の措置を講ずるものとする。

(議員の責務)

第10条 議員は、選挙により選出された区民の代表として、その負託に応えるため、広く区政全般の課題とこれに対する区民の意思を的確に把握し、議会の構成員として、議会活動を通じて区政に反映させる責務を有する。

(議員の役割)

第11条 議員は、前条の責務を果たすため、主に次の役割を担うものとする。

(1) 本会議、委員会及び議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場に出席し、審議、審査等を行うこと。

(2) 区政の課題について、必要な情報収集、調査及び研究並びに政策の立案及び提言を行うこと。

(3) 区民の意思を区政に反映させるため、これを的確に把握するとともに、区政の課題及び実情について区民に説明を行うこと。

(議員の能力向上等)

第12条 議員は、審議、政策立案等に必要な能力の向上を図るため、研修及び研究に積極的に取り組むなど、不断の自己研さんに努めるものとする。

2 本会議及び委員会における質問等は、区の行政事務について市長の見解を求める重要な権利であることから、議員はその責任を自覚し、内容の充実に努めるものとする。

(政治倫理)

第13条 議員は、区民の負託を受けた代表として、高い倫理観を保持しなければならない。

(議員報酬)

第14条 議員の議員報酬は、その責務及び役割に見合うものとなるようこれを定める。

(広報)

第15条 議会は、区民に開かれた議会を実現するため、多様な広報媒体の活用により、議会活動に関する広報の充実に努めるものとする。

(会議等の公開等)

第16条 議会は、その意思決定に至る過程を区民に対して明らかにするため、本会議及び委員会を原則として公開するものとする。

2 議会は、区民が本会議及び委員会を傍聴しやすい環境を整備し、本会議及び委員会の公開の実効性を確保するよう努めるものとする。

3 議会は、議会活動に係る情報の公開及び提供に努めるものとする。

(市長との関係の基本原則)

第17条 議会は、議決権を有する機関として、執行権を有する市長との権能の違いを踏まえ、互いの役割を尊重しつつ、対等かつ緊張ある関係を保ちながら、自らの機能を最大限に発揮するよう努めなければならない。

(監視及び評価)

第18条 議会は、市長の事務の執行が適正かつ公平に、及び効率的に行われているかを監視し、その効果及び成果について評価するものとする。

(政策の立案及び提言)

第19条 議会は、条例の制定及び改廃、議案の修正、決議等を通じて、市長に対し、積極的に政策の立案及び提言を行うものとする。

(議会の資料要求等)

第20条 議会は、市長が予算を調製したとき又は市長が重要な政策若しくは施策を策定し、若しくは変更したときは、市長に対し、必要に応じて、資料の提供及び説明を求めるものとする。

(議会改革の推進)

第21条 議会は、社会情勢の変化に対応するため、自らの改革に継続的に取り組むとともに、その取組の状況について定期的な検証を行うものとする。

(他の条例との関係)

第22条 この条例は、議会に関する基本的な事項を定める条例であり、議会に関する他の条例、規則及び要綱を制定し、又は改廃する場合においては、この条例の趣旨を尊重し、この条例に定める事項との整合を図るものとする。

(条例の見直し)

第23条 議会は、区民の意見、社会情勢の変化等を勘案し、必要があると認めるときはこの条例の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

この条例は、令和5年2月1日から施行する。

城崎町湯島財産区議会基本条例

令和4年12月27日 条例第45号

(令和5年2月1日施行)