○豊岡市景観条例
平成24年6月27日
条例第34号
(目的)
第1条 この条例は、市における良好な景観の形成について、市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の施行に関し必要な事項を定めることにより、豊かな自然とまちが調和した豊岡固有の景観を保全し、育成し、及び創造し、もって市の魅力と活力を高め、次世代に継承することを目的とする。
(1) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。
(2) 工作物 土地に定着する工作物その他の工作物で規則で定めるものをいう。
(3) 建築等 法第16条第1項第1号に規定する建築等をいう。
(4) 建設等 法第16条第1項第2号に規定する建設等をいう。
(5) 大規模建築物等 次に掲げる建築物及び工作物をいう。
ア 市の区域のうち、市街地が形成されている、又は形成が見込まれる区域として景観計画(法第8条第1項に規定する景観計画をいう。以下同じ。)で定める区域にあっては、建築物であって、高さが15メートルを超え、又は建築面積が1,000平方メートルを超えるもの及び工作物であって、高さ(当該工作物が建築物と一体となって設置される場合は、当該建築物の高さとの合計)が15メートルを超え、又はその敷地の用に供する面積が1,000平方メートルを超えるもの
イ 市の区域のうち、アで定める区域以外の区域にあっては、建築物であって、高さが12メートルを超え、又は建築面積が300平方メートルを超えるもの及び工作物であって、高さ(当該工作物が建築物と一体となって設置される場合は、当該建築物の高さとの合計)が12メートルを超え、又はその敷地の用に供する面積が500平方メートルを超えるもの
(6) 市民 市内に居住する者及び市内の土地、建築物又は工作物の所有権を有する者をいう。
(7) 事業者 法第16条第1項に規定する行為の設計又は実施に携わる者をいう。
(市の責務)
第3条 市は、良好な景観の形成に関する総合的かつ先導的な施策を策定し、実施しなければならない。
2 市は、前項の規定による施策の策定及び実施に当たっては、市民及び事業者の意見を反映するよう努めなければならない。
3 市は、法第7条第4項に規定する公共施設の整備に当たっては、地域の特性に応じた良好な景観の形成に配慮するよう努めなければならない。
4 市は、良好な景観の形成に関して、市民、事業者及び市民団体(市内において良好な景観の形成を図るための活動を行う団体をいう。以下同じ。)が、主体的かつ積極的な取組みができるよう意識の高揚を図らなければならない。
(市民の責務)
第4条 市民は、自らが景観の形成の主体であることを認識し、良好な景観の形成に関する理解を深め、良好な景観の形成に積極的な役割を果たすよう努めるとともに、市が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力しなければならない。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、自らが行う事業活動が良好な景観の形成に深いかかわりを持つことを認識し、事業の実施に際して良好な景観の形成に努めるとともに、市が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力しなければならない。
(国等に対する要請)
第6条 市長は、必要があると認めるときは、国、他の地方公共団体及び市内で活動する公共的団体に対し、良好な景観の形成について協力を要請するものとする。
(景観計画の策定)
第7条 市長は、良好な景観の形成を推進するため、市の全域を景観計画区域として景観計画を定めるものとする。
(景観形成重点地区の指定)
第8条 市長は、特に重点的に良好な景観の形成を図るべき必要がある地区を景観形成重点地区として指定することができる。
(届出対象に追加する行為)
第9条 法第16条第1項第4号の条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。
(1) 土地の開墾、土石の採取、鉱物の掘採その他の土地の形質の変更
(2) 木竹の伐採
(3) 屋外における土石、廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物をいう。)、再生資源(資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)第2条第4項に規定する再生資源をいう。)その他の物件の堆積
(4) 水面の埋立て
(届出を要する行為に係る事前協議)
第10条 法第16条第1項及び第2項の規定による届出をしようとする者は、規則で定めるところにより、その内容について市長に事前に協議(以下「事前協議」という。)を行わなければならない。
2 市長は、前項の規定による事前協議があった場合において、特に必要があると認めるときは、当該協議をした者に対し、届出に係る行為が景観に及ぼす影響に関する調査、予測又は評価(以下「景観影響評価」という。)を求めることができる。
3 市長は、前項の景観影響評価の結果について、豊岡市都市計画審議会条例(平成17年豊岡市条例第145号)第1条に規定する豊岡市都市計画審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。
(届出に添付する図書)
第11条 景観法施行規則(平成16年国土交通省令第100号)第1条第2項第4号の条例で定める図書は、次に掲げる図書とする。
(1) 第9条に掲げる行為を行う土地の位置及び当該土地の周辺の状況を表示する図面で縮尺2,500分の1以上のもの
(2) 当該行為を行う土地の区域及び当該区域周辺の土地の状況を示す写真
(3) 当該行為の実施方法を明らかにする図面で縮尺100分の1以上のもの
(4) 前3号に掲げるもののほか、景観に関する配慮を確認するために市長が必要と認める図書
(行為の完了又は中止の届出)
第12条 法第16条第1項又は第2項の規定による届出をした者は、当該届出に係る行為を完了又は中止したときは、規則で定めるところにより、遅滞なく市長に届け出なければならない。
(届出を要しない行為)
第13条 法第16条第7項第11号の条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。
(1) 第8条の規定により指定された景観形成重点地区以外で行う行為で、次に掲げるもの
ア 大規模建築物等に該当しない建築物の建築等及び工作物の建設等
イ 大規模建築物等の外観を変更することとなる修繕若しくは模様替え又は色彩の変更で、当該行為に係る部分が外観の2分の1未満のもの
ウ 仮設の建築物の建築等で、設置期間が90日未満のもの
オ 第9条第3号に規定する行為のうち、当該行為に係る面積が500平方メートル未満、高さが1.5メートル以下又は期間が90日未満のもの
(2) 土地の形状の変更のうち、次に掲げるもの
イ 行為の場所が地盤面下又は水面下であるもの
(3) 兵庫県文化財保護条例(昭和39年兵庫県条例第58号)第12条第1項の許可を受けて行う行為
(4) 豊岡市文化財保護に関する条例(平成17年豊岡市条例第185号)第7条の許可を受けて行う行為
(5) 豊岡市伝統的建造物群保存地区保存条例(平成18年豊岡市条例第67号)第4条第1項の規定による許可を受け、又は同条例第6条の規定による協議若しくは同条例第7条の規定による通知をして行う行為
(6) 前各号に掲げるもののほか、良好な景観の形成に支障を及ぼすおそれがないと市長が認める行為
(特定届出対象行為)
第14条 法第17条第1項の条例で定める特定届出対象行為は、法第16条第1項第1号及び第2号の届出を要する行為とする。
(助言又は指導)
第15条 市長は、第10条の規定による事前協議又は法第16条第1項若しくは第2項の規定による届出において、届出に係る行為が景観計画に定められた当該行為についての制限に適合しないと認められるときは、当該協議又は届出をした者に対し、必要な措置を講ずるよう助言し、又は指導することができる。
(勧告の手続)
第16条 市長は、法第16条第3項の規定による勧告をしようとするときは、審議会の意見を聴くことができる。
(変更命令等の手続)
第17条 市長は、法第17条第1項又は第5項の規定により必要な措置(以下「変更命令等」という。)を命じようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
(景観重要建造物及び景観重要樹木の指定)
第18条 市長は、法第19条第1項の規定による景観重要建造物及び法第28条第1項の規定による景観重要樹木の指定をしようとするときは、審議会の意見を聴くことができる。
2 市長は、景観重要建造物及び景観重要樹木の指定をしたときは、規則で定めるところにより、その旨を告示しなければならない。
3 前2項の規定は、景観重要建造物及び景観重要樹木の指定の変更又は解除について準用する。
(景観重要建造物の管理の方法の基準)
第19条 法第25条第2項の規定による景観重要建造物の管理の方法の基準は、次に掲げるとおりとする。
(1) 景観重要建造物の修繕は、原則として当該修繕前の外観を変更しないこと。
(2) 景観重要建造物の滅失又はき損を防止するため、当該建造物の外観、構造及び建築設備の状況を定期的に点検すること。
(3) 火災警報器及び消火器の設置その他防災上の措置を講ずること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、景観重要建造物の良好な景観の保全のために市長が必要と認める措置を講ずること。
(景観重要樹木の管理の方法の基準)
第20条 法第33条第2項の規定による景観重要樹木の管理の方法の基準は、次に掲げるとおりとする。
(1) 景観重要樹木の良好な景観を保全するため、定期的な剪定その他必要な管理を行うこと。
(2) 景観重要樹木の滅失又は枯死を防止するため、病害虫の駆除その他必要な措置を講ずること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、景観重要樹木の良好な景観の保全のために市長が必要と認める措置を講ずること。
(景観重要建造物及び景観重要樹木の現状変更許可の手続)
第21条 市長は、法第22条第1項及び法第31条第1項に規定する景観重要建造物及び景観重要樹木の現状変更の許可をするときは、審議会の意見を聴くことができる。
(原状回復命令等の手続)
第22条 市長は、法第23条第1項又は法第32条第1項の規定により原状回復又はこれに代わるべき必要な措置を命じようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
(管理に関する命令又は勧告の手続)
第23条 市長は、法第26条又は法第34条の規定により管理の方法の改善その他管理に関し必要な措置を命じようとするとき又は勧告しようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
(公表)
第24条 市長は、法第16条第3項の規定による勧告を受けた者が正当な理由なくこれに従わないときは、規則で定めるところにより、その旨を公表することができる。
2 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ当該公表の対象となる者に意見を述べる機会を与えるとともに、審議会の意見を聴かなければならない。
(景観農業振興地域整備計画の策定)
第25条 市長は、法第55条第1項の規定により景観農業振興地域整備計画を定めようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
2 前項の規定は、景観農業振興地域整備計画の変更についても準用する。
(景観形成活動団体の認定)
第26条 市長は、市民団体のうち、次の各号のいずれにも該当するものについて、景観形成活動団体として認定することができる。
(1) その活動が、良好な景観の形成に特に有益であると認められるものであること。
(2) 活動及び運営が適正に行われていること。
(3) 営利を目的とした活動を行っていないこと。
2 市長は、前項の規定による認定をしたときは、その旨を当該景観形成活動団体に通知するとともに公表するものとする。
3 市長は、景観形成活動団体が第1項の規定に適合しなくなったと認められるときは、当該認定を取り消すことができる。
(景観形成活動団体との連携等)
第27条 市は、景観形成活動団体と連携して、良好な景観の形成を推進するものとする。
2 市長は、第10条の規定による事前協議を行う者の同意を得て、景観形成活動団体に対し、規則で定めるところにより、当該協議の内容の提供及び意見の聴取を行うことができる。
(表彰)
第28条 市長は、良好な景観の形成又は保全に寄与していると認められる者又は団体を表彰することができる。
(助成等)
第29条 市長は、景観形成重点地区において良好な景観の形成のために必要な行為を行う者に対し、予算の範囲内において、当該行為に要する経費の一部を助成し、又は技術的援助を行うことができる。
2 市長は、景観重要建造物又は景観重要樹木の保全等のために、その所有者又は管理者に対し、予算の範囲内において、保全等に要する経費の一部を助成し、又は技術的援助を行うことができる。
3 市長は、景観形成活動団体に対し、予算の範囲内において、良好な景観の形成を目的とした活動に要する経費の一部を助成することができる。
(委任)
第30条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。
(平成24年規則第40号で平成24年11月1日から施行)
(日高町街並み景観条例の廃止)
2 日高町街並み景観条例(平成10年日高町条例第29号。以下「旧条例」という。)は、廃止する。
(経過措置)
3 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)前に景観の形成等に関する条例(昭和60年兵庫県条例第17号)第10条第1項若しくは第3項、第17条又は第23条の規定によりなされた届出及び同条例第11条第1項、第18条第1項又は第24条第1項の規定によりなされた協議及び同条例第14条第1項、第21条又は第27条の規定によりなされた通知は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。
4 施行日前に旧条例第11条の規定によりなされた届出は、法第16条第1項の規定によりなされたものとみなす。