「こころ」に働きかける公共政策のカタチ

~コウノトリ野生復帰検証事業~

  

   一度は絶滅したコウノトリをもう一度空に帰し、共に生きる社会の構築を目指す――。コウノトリ野生復帰の取り組みに関わる行政機関※1が、これまでの経過を整理・分析・評価する「コウノトリ野生復帰検証事業」の結果がまとまりました。


 
 
 

  検証を依頼した第三者委員会※2がテーマとしたのは、「なぜ豊岡では、市民と地域社会がコウノトリと共に生きる『決意』を共有できたのか?」。

それを知るために、「こころ」の動きに着目して「共感」を評価軸とした分析が行われ

①生きものを愛する心(コウノトリをシンボルとした自然への愛情)

②郷土を愛する心(豊岡という場所への愛情)

③生活の安定を望む思い

 の3点を「より良い暮らしを求める共感のポイント」として、河川・農業・地域社会それぞれの分野で、施策の広がり・主体のつながりの特徴が抽出されました。



  結論としてまとめられた「ひょうご豊岡モデル」は、次のように表現されています。  
  
 
●地方における自然財を活かした持続可能な地域づくりモデル

●心の動きを推進力とした『共感の連鎖』誘発のモデル

●『科学』と『行政』と『地域社会』の連携モデル

  

  
取り組みの拡大には、地域全体に「共感」が広がる必要がある。豊岡では、時に偶然も活用しながら人々の心に働きかける施策展開が続けられており、「科学」もその共感に重要な役割を果たしているという分析です。併せて、取り組み進展の5つのポイントと展開の4つのプロセスが示されました。

 共感の根は地域によって違えども、「成長から成熟へ」「開発から自然共生へ」という潮流の中で地方が輝いていくために、豊岡の取り組みが一つのモデルとして参考になることを願っています。


  委員会からの報告書には、さらなる進展に向けた現状の課題や、留意ポイントもあげられています。ぜひご覧ください。

※1 文化庁、農林水産省、国土交通省、環境省、兵庫県・県立コウノトリの郷公園、豊岡市

※2 涌井史郎(東京都市大学教授、委員長)、古川 彰(関西学院大学教授、副委員長)、永田尚志(新潟大学准教授)、藤栄 剛(滋賀大学准教授)、大山由美子(㈱丹青研究所取締役)



リンク>
解説(涌井史郎委員長:第5回コウノトリ未来・国際かいぎ講演録)
報告書本編(日本語,202ページ)
報告書概要版(日本語,28ページ)
④翻訳版(28ページ)
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